キャッチコピーの極意

弓削 徹

結果が出ないキャッチコピー。それは、読んだ後お客様の心に「買う理由」が生まれていないから。今世に出ている宣伝文句は、「言葉遊び」、「かっこいいだけ」、「有名企業のをパクって商品サービス名を変えただけのもの」ばかり。

モノが売れない状況をひっくり返すには、キャッチコピーを変えるのが一番「早く、効く」。どんなビジネスも、コミュニケーションも、言葉ひとつで加速する。

ジョブズiPod発表プレゼンテーションで使ったフレーズはどちらかわかりますか?

A:大容量5GBです
B:1,000曲持ち歩ける

正解はB。仕様である5GBでも製品の性能をアピールできるが、ピンとこない。1,000曲と聞くと、多くのユーザーが購入のメリットを明瞭にイメージすることできた。

結論、顧客にとっての「便利さや魅力」に言い換えて訴えたことが有効だということがわかる。
商品やサービスの「本当のウリ」をつかみ取って「言葉」にできることが、いいキャッチコピー。

機能や特徴を書いてはいけない

顧客が聞きたいのは、それによって私はどう便利になるの?ということ

例)無印の売れなかった商品「たためるジャケット」
たたんでもシワになりにくい生地→たためる→刺さらなかった

「旅に便利なジャケット」
シワになりにくい→たたんでカバンに入れて旅先に持っていく→シワになっていなくて便利→刺さった

キャッチコピーの理想は、読んだらボディコピーが読みたくなるかどうか。
ボディコピーの1行目を読んだら、2行目が読みたくなるかどうか。

キャッチコピーは、書いた後に少なくとも一晩寝かせた方が客観的な視点で見ることができる。

感想

キャッチコピーだけに特化したマニアックな1冊。具体例がセットで解説されているため説得力が高く、腹落ちしやすい内容となっている。普段何気なく書くのではなく、体系的なセオリーに則って書く重要性をあらためて認識。

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