無意識に相手の心を動かすストーリーテリング

城 智英

人が購買行動を起こす時、まずは感情でその商品を買うことを決めてから、理性でその決定を正当化する。人の感情を動かすためには、ストーリーを活用してメッセージを相手に届ける=ストーリーテリングが有効。

メッセージの伝え方は主に2種類に分類される

・論理先行型→伝えたいことの全体像を、速やかに説明しなければいけない時
・ストーリー先行型→感情にアプローチし、相手の行動を促したい時

ストーリーテリングを使うべきタイミングの一つとして、相手に気づきを与えたい時が有効。(相手に結論を導き出させる。人は自分でたどり着いて出した答えは、信じて疑わない)

何も変化が起きない平坦な物語では伝わらない。物語の「変化」のギャップが大きければ大きいほど面白く、伝わりやすくなる。物語の最初と最後の「対比」が一番の肝である。

ストーリーテリングの構築法

①主張(伝えたいメッセージ)を決める
「誰に」「何を」伝えたいか。主張にあった物語を主観的な視点で考える。

②方向を決める
昔(スタート地点)は「主張とは逆」であったが、ある外的なきっかけを経て、今(ゴール地点)は「主張」になった。

③エピソードを探す(人・生き物・もの・場所)
価値観が変わったことを象徴するもの。誰か(人)と関わったことで、ある出来ことが発生したなどのエピソード。

④物語を組み立てる
主人公→目的→障害→ターニングポイント→教訓。この要素を順番に、起承転結に当てはめていく。

⑤伝え方を練る
ピークエンドの法則=人は物語のピークと終わりしか覚えていない。強調する箇所とそれ以外の箇所を区別してメリハリをつくる。

感想

具体的な物語の例題を作りながら解説されている、5分程度の短い物語の構築に特化したノウハウ本。プレゼンやライティング、セールスなどに使える内容。本文も簡潔で、ページ数も多くないため要点を掴めやすい一冊。

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