
アイデアの作り方
博報堂執行役員、博報堂ケトル広告ディレクターの著者が、日々アイデアを考える仕事のために、一見無関係な情報と情報を「モレスキン」と呼ばれる手帳の上で交配させアイデアをひねり出す。ノートテーキング術とアイデア発想法を紹介した本。
「散らかった情報からアイデアは生まれる」
情報を既存の方法で整理整頓して考えるより、とっ散らかった情報の中から、突然変異的に情報と情報を組み合わせたアイデアの方が面白い結果が出る。
情報と情報の想定外の出会いが「化学変化を起こす」
いかに情報を整理せず、片付けずに、ただひたすら羅列するか。一見関係ないものが結びついた方がアイデアが斬新である。
「新しい時代」の「新しいアイデア」は「新しい情報の組み合わせ」がないと生まれない。
一般的な整理整頓は「分類コントロール型」。似ているものを集め、整理し、ファイルに分類するトップダウン型の情報整理。情報を引き出すことや引用には長けているが、「生み出す」ことには適していない。
情報はファイルに入れたら死んでしまう。情報分類してしまうと見返すことはほぼなくなってしまい、分類管理することが目的化してしまい、情報を「どうアイデアに生かすか」を考える余裕はなくなる。
整理しない、羅列するだけ、そうすると情報は「交配」する
情報を分離せず、バラバラぐちゃぐちゃに羅列することで、一見全く関わりのないように見える情報と情報とが結びつき、新しい知識やアイデア、視点など新しい情報が生まれる可能性がある。
ステップ①
とにかく集める<情報収集>
本で読んだこと、人から聞いた話、テレビやラジオで耳にしたこと、会社の会議での雑談など気になったり、あくまで自分のアンテナに引っかかった、気になることや知らなかった情報は躊躇なくとにかく集める
5つの視点で情報収集する
<①事実>自分が知らなかった事実で少しでもアンテナに引っかかったもの
<②意見>評論家や、新聞の投稿欄、会議、他人の会話など新鮮で斬新だと感じた意見
<③分析>今まで見聞きしなかったユニークな分析
<④示唆・疑問>「意見」や「分析」ほど定かではないけれども、「?」や「〜なのかもしれない」などの「示唆」を感じさせる情報
<⑤表現>これは使える!と思える文章表現や、比喩など(名言や格言から身近な人のおもしろ発言まで)
情報源を明記しておく
ソースさえ明らかにしておけば、最終的にその情報を使うときに検証ができる。
情報をマーキングする
活字情報には「付箋」をはり、視覚聴覚情報は「2軍ノート」に書き記す(ソースも同時に)
ステップ②
寝かせて、並べる<情報の放牧>
マーキングした情報は1ヶ月ぐらい寝かし、なぜこの情報をマーキングしたのかもう一度思い出してみる。そうするとその情報をもう一度深く記憶に刻むことができる。思い出せない情報やあらためて見ると面白くない情報は深追いしない。googleやwiki情報でさらに情報を掘っておまけ情報として付け加えるのもいい。
パッと素早く多くの情報に目を通せる一覧性が重要。好きなときにいつでもパラパラ読みができることが望ましい。ナンバリングだけで、整理して書かない、バラバラな情報を並べることが大事。知った順番に、気になった順番に情報を並べていくことがカギである。
これを実行することで、自分の関心ごとを自分の意識以上にほじくり出すことができる。最初は、自分の興味のある領域のことばかりの羅列になるが、ほかの領域の情報と結びつくついていき、自分の興味領域がどんどん広がっていく。
手帳力3つの力
この羅列式ノートテーキングをすることで、「雑談力」「プレゼン力」「企画力」を身に付けることができる。
感想
ここでは紹介しきれなかった具体例や、実際に関係ないキーワードを組み合わせて、面白いアイデアを発想していく訓練の方法などが記載されています。アイデアは決して頭の中だけで考えて閃くものではなく、地道に日々情報を集めて「記す」ことが、自分自身にも必要だと感じる良いきっかけになった。そして今後、自分自身の興味領域を広げていくのに効果的な施策だと感じた。
グラフィックデザイナー/アートディレクター
日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)会員
宅地建物取引士
1982年北海道生まれ。大学卒業後、広告制作会社を経て広告代理店勤務。その後はフリーランスとして、多様な事業形態の中でグラフィックデザイン業務に従事。直近では事業会社にて、通信講座の事業責任者というポジションで、EC事業の運営及びマーケティングを7年に渡り主導。広告業界・デザイン共に20年以上の経験と、Word Pressを活用したWEB・LPデザインは10年の実績があります。特にハウジンググラフィックの実績が豊富で、通信事業で培った経営目線のマーケティングが強み。